不確かな関係

ヘイリーの夢は一流のライターになること。
そんな彼女に、またとないチャンスが訪れた。
雑誌の目玉“愛の生活にスパイスを”のコラムを任されたのだ。
張りきる彼女だが、ひとつ問題があった。
そのコラムは、ライターが経験した刺激的なファンタジーを読者に伝えるというスタイルをとっている。
ほとんど男性経験がないヘイリーは“家庭教師”を頼むことにした。
大学時代に憧れたプレイボーイのディラン――思いあまって卒業式の夜、部屋まで押しかけた相手だ。
彼ならあのときの個人授業の続きをしてくれるはずだわ。
「お客さんだよ、船長。
女のお客さんだ」部下の言葉を、コリンは一蹴した。
この吹雪のさなかに女の客人などありえない話だ。
冗談で応じていると船室のドアがあき、美しい女性が姿を現した。
上質のウールのフードからのぞく赤毛が、天使のような顔を縁取っている。
彼女は素性を明かさず、フランスへ連れていってほしいと懇願した。
コリンは強く興味を引かれながらも、何もきかずに渡航の手配を引き受ける。
その時のコリンは知る由もなかった。
彼女が背負った運命の重さを。
そして、彼女と出会った瞬間に、最後の恋に落ちたことを。
十七歳のミーガンが夢中で恋した男は、妊娠した彼女を無情にも捨ててスザンナ・カルフーンと結婚した。
あれから十年……。
ミーガンは息子を育てながら臆病に生きてきたが、ついに思い切った決断を下した。
伝説に彩られた“塔の館”に移り住み、カルフーン一族の経営するホテルの経理を担当するのだ。
でも、カルフーン家の四姉妹がいる大邸宅の暮らしになじめるだろうか? ミーガンは不安を抱えながら館に到着した。
最近、同じ夢ばかり見る。
燃えるような瞳の男が現れ、私を魅了する。
彼は小箱を差し出す。
だが中を見る前に、夢は消えてしまう。
アンバーは漠然と、その箱が死を意味すると悟った。
特別な血を受け継いだ彼女は、これまでも予知夢をよく見ていた。
彼は私に死をもたらすの……? ある日、車を走らせるアンバーの前に男が急に飛び出してきた。
慌ててブレーキを踏んだ瞬間、彼女は息をのんだ。
夢の中の男が、そこにいた。
親友のストームとともに探偵事務所を始めたマックス。
彼女には、ずっと好意を寄せてきた退職警官ルーとの間に、公私にわたるパートナーの関係を築きたいという思いがあった。
マックスは積極的に自分の気持ちを伝えようとするが、ルーはなかなか受け入れてくれない。
もどかしい思いを抱えていた彼女のもとに、友人から妹が行方不明になったという連絡が入る。
ルー、ストームとともにすぐに現地に向かったマックスを待ち受けていたのは、重苦しい空気に包まれた町と、まるで生気を吸い取られてしまったような住民たちの姿だった……。
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