高丘親王航海記

天竺へと向かう旅の途中で、南海諸国を遍歴した高丘親王が見たのは、この世のものとは思えない怪奇と幻想に満ちた世界だった。
色とりどりの羽と鳥の下半身を持つ女たち、犬の頭を持つ犬頭人の国、良い夢を食べるとうっとり酔うような香りの糞を出す獏、濃霧の海で出会ったひゃらひゃらと笑う船乗りの亡霊……。
物語終盤でのどの激痛に苦しみ、自らの死を予感する高丘親王。
著者は、この作品の執筆中に、下咽頭がんの闘病生活を送っていた。
遺作となった読売文学賞受賞作。
ワイドショーも小説もぶっ飛ぶほど、リアルで面白いのがナマの裁判だ。
しかもタダで誰でも傍聴できる、殺人、DV、詐欺、強姦事件……。
突っ込みどころ満載の被告の弁明や、なんとも噛み合わない被告と弁護士、傍聴席に鈴なりの女子高生にハッスルする裁判官、有名漫画家の男気ある証人ぶり、ヒトゴトじゃないと思う切実な事件。
「こいつ、絶対やってるよ!」なんて心の中で叫びつつ、楽しく通った傑作裁判傍聴記。
自筆のイラスト満載(法廷内は写真撮影不可のため)。
ヤクザ世界では、岐阜の蟷螂会が覚醒剤で京都を浸食し始めていた。
会長の板東は、鈴木とも繋がっている。
そんな中、鈴木の指示を受けた萩美が、謙司に明日香を同伴出勤に当たる『ごはん食べ』に誘うよう仕向ける。
鈴木は明日香と謙司を、覚醒剤常用者として摘発させるつもりなのだ。
罠に落ちた謙司と明日香だが、嫉妬した康平が二人の後をつけていた。
攫われた二人を必死で追う康平。
途中烏丸会の者に遭遇し、明日香を助けてくれと懇願する。
連絡を受けた烏丸会は、総出で明日香の捜索を開始した。
そして謙司のマンションに連れ込まれていることを突き止め、明日香が犯される寸前に救出する!板東のバックに民力党の亀田がいることを知る、烏丸会会長の岡部。
菱和や大翔の手を借りずに、単独で蟷螂会と戦う決心をした。
舞妓から芸妓になる『衿かえ』が迫る明日香。
遊びに来た猪郷に事件を話し、抗争が始まって京の街に血が流れるのを防いでくれと頼む。
明日香の大局に立った頼みに、猪郷は感動した。
蟷螂会の覚醒剤仕分け場を襲い、事務所にも銃弾を撃ち込む烏丸会。
宣戦布告へ! 亀田が京都府警を動かして、覚醒剤容疑で烏丸会を一斉捜査させた。
岡部を逮捕し、留置場に居る間に総攻撃を行って、京都を陥とす予定である。
しかしそこでフィクサー・猪郷が動き、亀田を一喝。
板東の企みは全て中止となった。
戦争を止めたのは、明日香! 京都ではまた明日香の評判があがった。
猪郷の価値を認識した明日香は、自分の処女を買って貰う相手『水揚げ』を猪郷に頼む決心をする。
彩香にも会い、異存のないことを聞いた猪郷は、明日香の『衿かえ』支度一式を揃えてやった。
覚悟を決めて、猪郷の座敷に入る明日香。
しかし猪郷は明日香を抱かず、水揚げをしたことにして後見人にはなってやるが、処女は好きな男にあげなさいと諭す。
猪郷の優しさに感動し、その膝にすがって泣く明日香。
明日かは晴れて『衿かえ』し、舞妓を卒業して芸妓になった。
続きはこちらから⇒ttp://www.ebookjapan.jp/shop/book.asp?sku=60019738